二世帯住宅と耐震

一戸建ての耐震性能は、耐震等級でチェックできます。
建売分譲の一戸建てよりも耐震等級を高く施工しやすいのが注文住宅です。注文住宅で新築するときは、話し合いながら設計を決められるので、在来工法の木造建築に対して筋交いを多く施工してもらうなど、柔軟に耐震性能を高められるからです。

二世帯住宅は大型住宅になりやすいので、筋交いを増やすと安心です。筋交いで使用される部品は、湿気でサビることも多く、耐久性は高いのですが定期メンテナンスは必要です。
実際に注文住宅で完成してから、どのような生活環境なのかは入居者によってさまざまです。屋内に湿気が発生しやすくなる環境の場合もありますし、乾燥しがちな環境の場合もあります。
二世帯住宅は、乾燥にも湿気にも強い施工が理想的ですが、筋交いを多く施工すれば壁材の内部に湿気がたまりやすくなる場合もあるため、定期的に点検したほうが良いでしょう。定期的に点検して、問題がなければ良いのですが、もしも結露が発生していると判明したら、湿気を吸収して放出もできるタイプの断熱材に入れ替えると良いでしょう。適切な断熱材に交換リフォームすると、筋交いの部品はサビにくくなり長持ちしますので、耐震性も強いまま維持されます。
二世帯住宅は親世帯と子供性で、それぞれにキッチンを施工したり、それぞれにバスルームを使用しますから、一般的な住まいよりも湿気が発生しやすいです。こまめに換気をすれば良いのですが、防犯上の観点から窓を開けたがらない世帯も少なくありません。現実問題としての防犯性にも配慮すると、24時間換気システムや高性能の空調システムの設置は、耐震性を維持するのにも役立ちます。

新築するときは予測しにくいことも多く、話し合いの時間を多く確保できても、具体的な未来の暮らしを想像するのは容易とは限りません。注文住宅の工務店は、同じような家族構成の住まいや、同じような不安を変えている世帯とも向き合いながら一戸建てを新築しています。ぜひ工務店の担当者に、他の建築実例を紹介してもらいながら、他の二世帯住宅で発生したトラブルや解決策にも目を向けるようにしましょう。
注文住宅は工務店との長い付き合いが待っていますが、できるだけ新築のときから住まいの維持管理対策を検討しておきましょう。筋交いを多く施工すれば、金具も多くなりますから、湿気対策への配慮は充分に意義があります。
両親と子供夫婦で、湿気対策を話し合っておくと、筋交いの多い二世帯住宅でも安心して維持できます。